カギスル

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仕組みから分かるメール添付ファイル暗号化 - 公開鍵暗号方式で実現するファイルセキュリティ

カギスル(株式会社IDEOJ)

公開日: 2025年7月24日

企業の機密情報や個人情報を含むファイルの共有において、従来のパスワード付きZIPファイルでは、十分なセキュリティを確保できません。医療機関の患者情報、法律事務所の機密文書、設計事務所の図面、人事部の個人情報など、絶対に漏洩してはならない重要なファイルを安全に共有するためには、より強固なセキュリティ手法が必要です。この記事では、最新の暗号化技術である公開鍵暗号方式を活用した、次世代のファイル共有ソリューション「カギスル」について詳しく解説します。

メール暗号化とファイルセキュリティの進化

企業の機密情報や個人情報を含むファイルの共有において、従来のパスワード付きZIPファイルやPPAP(パスワード付きファイルをメールで送信し、パスワードを別途送信する手法)では、もはや十分なセキュリティを確保できない時代になりました。

医療機関の患者情報、法律事務所の機密文書、設計事務所の図面、人事部の個人情報など、絶対に漏洩してはならない重要なファイルを安全に共有するためには、より強固なセキュリティ手法が必要です。

この記事では、最新の暗号化技術である公開鍵暗号方式を活用した、次世代のファイル共有ソリューション「カギスル」について詳しく解説します。

従来のファイル暗号化手法の限界とリスク

従来のファイル暗号化の課題

パスワード付きZIPファイルの問題点

多くの企業で使われているパスワード付きZIPファイルは、一見安全に見えますが、実は深刻なセキュリティリスクを抱えています。

最も危険なのは、ブルートフォースアタック(総当たり攻撃)による解読です。現代のAI技術では、短いパスワードや推測されやすいパスワードは数時間から数日で解読されてしまいます。さらに、同じパスワードを複数のファイルで使い回している場合、一つのファイルが解読されると、他のファイルも連鎖的に危険にさらされます。

運用面でも課題は山積みです。パスワードを別のメールで送信する手間は業務効率を大きく損ないます。受信者がパスワードを紛失してファイルを開けなくなったり、大量のメールの中からパスワードを探し回ったりする光景は、多くのビジネスパーソンにとって身に覚えのある経験でしょう。

カギスルはこれらの問題を根本的に解決しながら、大掛かりで高額なセキュリティーSaaSの導入やクラウドストレージの利用を必要としません。従来どおりのファイル管理やメール添付のワークフローを維持しつつ、圧倒的なセキュリティを実現します。

公開鍵暗号方式とは?その仕組みと優位性

公開鍵暗号方式の基本概念

カギスルで採用している公開鍵暗号方式は、数学的に証明された安全性を持つ暗号化技術です。この方式の革新性は、暗号化と復号化で異なる鍵を使用する点にあります。公開鍵は暗号化専用の鍵で、相手に渡しても全く問題ありません。一方、秘密鍵は復号化専用の鍵で、本人のみが保持します。

この仕組みにより、送信者は受信者の公開鍵を使ってファイルを暗号化できます。暗号化されたファイルは、対応する秘密鍵を持つ受信者のみが開くことができるのです。つまり、パスワードのような秘密情報を事前に共有する必要がありません。

公開鍵暗号方式により暗号化されたファイルは、対応する秘密鍵を持つ受信者のみが開くことができる

従来手法との決定的な違い

従来のパスワード方式では、同じパスワードで暗号化と復号化を行います。これは共通鍵暗号方式と呼ばれ、必然的にパスワードの共有が必要となります。パスワードが漏洩した瞬間に、全てのファイルが危険にさらされることになります。

対照的に、公開鍵暗号方式では暗号化用の鍵と復号化用の鍵が数学的に関連しているものの、全く異なるものです。これにより、秘密情報を共有することなく、確実にファイルを保護できるのです。

カギスル

通常、公開鍵暗号方式では事前に公開鍵の作成と交換が必要ですが、カギスルではこのプロセスをユーザーに操作として意識させることなく、シームレスに行います。ユーザーは生体認証(使用できない場合は共有不要の本人専用パスワード)を登録するだけで、公開鍵と秘密鍵のペアが自動的に生成されます。作成された公開鍵はアドレスと呼ばれ、相手と自動的に共有されます。これにより、専門知識がなくても簡単に安全なファイル共有が可能になります。

カギスルのアドレスとそれを使用した施錠

カギスルが実現する次世代ファイルセキュリティ

次世代ファイルセキュリティ技術

FIDO2技術の活用

カギスルは、国際標準であるFIDO2技術を採用しています。FIDO2は、パスワードに代わる次世代の認証方式として、世界中の主要IT企業が推進している技術です。

この技術により、生体認証(指紋・顔認証)を活用した安全で便利な認証が実現できます。特別なアプリをインストールする必要はなく、Chrome、Safari、Edgeなど主要ブラウザで利用可能です。さらに、フィッシング攻撃に対する高い耐性を持っているため、従来のパスワード認証では防げなかった攻撃からも保護されます。

ゼロトラスト設計の採用

カギスルは「ゼロトラスト」の原則に基づいて設計されています。これは「何も信頼しない」という考え方で、サーバー上に保護されていないファイルを一切保存しません。

暗号化・復号化処理は全て利用者のPC上で実行されるため、クラウドサーバーが攻撃を受けても、暗号化されていないファイルが流出することは絶対にありません。通信経路での盗聴に対しても完全な防御を実現しています。

圧倒的な処理速度

従来のセキュリティツールは、安全性を重視するあまり処理速度が犠牲になることがありました。しかし、カギスルは高度な安全性と高速処理を両立しています。

1GBの大容量ファイルでも約3秒で暗号化・復号化が完了するため、待機時間によるストレスがありません。スムーズなファイル共有により、業務効率を損なうことなくセキュリティを強化できます。

導入コストと運用負荷の大幅削減

従来のセキュリティソリューションの課題

多くの企業がセキュリティ強化の必要性を感じていながら、なかなか導入に踏み切れない理由の一つが、高額な導入費用です。専門的なセキュリティベンダーのソリューションは、初期費用だけで数十万円かかることも珍しくありません。月額利用料も高額で、特に小規模企業にとっては導入が困難な状況です。

運用面でも課題があります。従来のセキュリティツールは複雑で、専門知識を持つIT担当者が必要です。定期的なアップデートや設定変更、ユーザートレーニングにも時間とコストがかかります。これらの負担が、セキュリティ対策の導入を阻む大きな要因となっています。

カギスル

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カギスルは、これらの課題を根本的に解決します。基本機能は無料で利用開始でき、法人プランも月額5万円から利用可能です。さらに重要なのは、相手方の導入費用が一切不要な点です。これにより、取引先や顧客に負担をかけることなく、安全なファイル共有を実現できます。

運用面でもシンプルさを追求しています。Webブラウザのみで全機能を利用でき、特別なソフトウェアのインストールは不要です。直感的な操作で専門知識がなくても使えるため、IT担当者がいない小規模企業でも安心して導入できます。

最短1分で生体認証を登録して利用開始できる手軽さも大きな魅力です。既存のメールやビジネスチャットツールとシームレスに連携するため、ワークフローの変更を最小限に抑えて導入できます。


パスワードいらずのファイル施錠は「カギスル」

相手のメールアドレスさえ知っていれば、ファイルを強固に施錠できます。 施錠したファイルはそのままメールに添付でき、面倒なパスワード共有は不要です。

カギスルのイメージ

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カテゴリ: セキュリティ