市役所内での機密文書の限定的なファイル共有を実現するためのセキュリティ対策比較3選
カギスル(株式会社IDEOJ)
自治体における機密文書のデジタル化について、技術的な側面から実用的な運用まで、適切なソリューション選択のポイントを解説。
はじめに:機密文書のデジタル化で重視すべきセキュリティ要件
機密文書のデジタル化を進める自治体では、適切なセキュリティ対策の選択が重要な課題となっています。財政課の予算資料、人事課の職員情報、総務課の契約書類、市民課の個人情報など、各部署で扱う情報は住民の信頼に関わる重要なものばかりです。
実際に自治体の担当者の方からお聞きする声として、「内部での限定的なファイルやり取りのために安全な暗号化方法を探している」「データが漏れてはいけない資料をどうやって保護すればよいかわからない」「外部とのやり取りも視野に入れているが、まずは内部から始めたい」という相談が増えています。
本記事では、自治体における機密文書の安全なデジタル化について、技術的な側面から実用的な運用まで、適切なソリューション選択のポイントを解説いたします。
デジタル化で直面するセキュリティ課題
情報管理における現実的な課題
機密文書のデジタル化を進める際、多くの自治体では適切なセキュリティソリューションの選択が課題となっています。財政課では年間予算の策定時期になると各部署からの予算要求資料、人事課では職員の人事評価や給与データ、総務課では契約書類や議会資料、市民課では住民票や戸籍関連書類など、部署ごとに異なる機密文書を安全に管理する必要があります。
特に重要なのは、必要な職員のみがアクセスできる仕組みの構築と、誰がいつファイルにアクセスしたかを確実に記録できる体制の整備です。人事課では職員の個人情報を、市民課では住民の機密情報を扱うため、不適切なアクセスを技術的に防止する仕組みが不可欠です。
デジタル化導入時の技術的制約
デジタル化を進める自治体が直面するのが、技術的な複雑さと予算制約の問題です。大手ITベンダーが提案するエンタープライズ向けソリューションは、初期導入費用だけで数百万円から数千万円に及ぶケースが多く、職員数が限られた自治体では導入が困難な場合があります。
さらに、既存の業務フローを大幅に変更する必要があるシステムでは、職員の習得コストや業務停滞のリスクも懸念材料となります。多くの自治体で共通して聞かれるのが、「現在の業務に大きな変更を加えずに、セキュリティだけを向上させたい」という要望です。
職員のITスキルにも個人差があり、特に年配の職員の中には、複雑なシステムの習得に不安を感じる方も少なくありません。
従来のファイル暗号化手法の課題と限界
パスワード付きZIPファイルの運用課題
多くの自治体で現在採用されているパスワード付きZIPファイルによる文書保護には、実用上の大きな問題があります。財政課の予算資料、人事課の人事情報、総務課の契約書類など、どの部署でも複数のバージョンが存在し、それぞれ異なるパスワードを設定する必要があります。
実際の運用現場では、パスワードを忘れてしまい重要な会議の直前に資料が開けなくなったり、パスワードをメールで送信したが相手が見落としてしまったりといったトラブルが頻発しています。また、覚えやすいパスワードを設定することで、セキュリティ強度が低下するという本末転倒な状況も生じています。
近年では、AIを活用したパスワード解読技術が発達しており、従来考えられていたよりも短時間でパスワードが破られるリスクが高まっています。
クラウドストレージサービスのガバナンス問題
一般的なクラウドストレージサービスの利用では、共有リンクの管理が大きな課題となります。退職した職員が設定した共有リンクが無効化されずに残っていたり、「編集可能」で設定すべきファイルを「閲覧のみ」で共有してしまったりするミスが生じる可能性があります。
特に自治体では、情報公開請求への対応や議会での答弁資料準備など、急を要する作業が多いため、このような権限設定ミスは業務の停滞に直結する深刻な問題となります。
また、海外のクラウドサービスを利用する場合、現地法による制約や、サービス提供者による意図しないファイル内容の分析リスクも考慮する必要があります。
暗号化ファイル共有サービス「カギスル」による解決アプローチ
カギスルは、自治体の機密文書管理に特化したファイル暗号化共有サービスです。以下の特徴により、従来の課題を解決し、セキュリティと利便性を両立させることが可能です。
部署間での安全なファイル共有
WordやExcelなどのファイルを、特定の部署や職員だけが開けるように施錠(暗号化)することができます。これにより、例えば財政課の予算資料を人事課の職員が誤って開いてしまうといったリスクを回避できます。
パスワード共有が不要
パスワード付きファイルの運用に伴うトラブルを解消します。施錠されたファイルは、カギスルのシステム上で、あらかじめ指定された職員のみが開くことができ、パスワードを共有する必要がありません。これにより、パスワード忘れや誤送信による情報漏洩リスクを大幅に低減します。
アクセス履歴の自動記録
ファイルを誰がいつ施錠し、いつ解錠したかの記録が職員単位で自動的に残ります。これにより、組織内の情報管理の透明性が向上し、万が一のトラブル発生時にも迅速な原因究明が可能となります。
誤送信防止機能
カギスルでは、ファイル一つ一つに個別のアクセス制御を設定するため、たとえ意図しない他人にファイルが渡っても開かれることがありません。これは、自治体のような機密性の高い情報を扱う組織には特に重要な特徴です。
まとめ:安全なデジタル化への確実な道筋
自治体における機密文書のデジタル化は、適切な技術選択と段階的な導入アプローチにより、セキュリティと効率性を両立させることが可能です。カギスルは自治体DXに伴う自治体職員の業務負荷軽減とセキュリティ向上を同時に実現します。
パスワードいらずのファイル施錠は「カギスル」
相手のメールアドレスさえ知っていれば、ファイルを強固に施錠できます。 施錠したファイルはそのままメールに添付でき、面倒なパスワード共有は不要です。

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